エアコンの設定温度と風量、どこがベストなのかを考えてみます。

その前に、エアコンとは別のものでイメージを説明します。

風船を水に沈めるには結構な力が必要です。
グイグイと押し込まないと、水の中には入りません。
空気は軽く、水は重いのが原因です。

さて、空気は暖めると軽くなります。
冷やすと重くなります。
冷たい(重い)空気に、暖かい(軽い)空気を押し込もうとすると、
ちっともうまくいきません。
風船と水の関係にとてもよく似ています。

ここでやっと、エアコンの設定温度と風量の話です。

 

エアコンの設定温度を、低温・普通・高温の3パタン、
設定風量を、強・普通・弱の3パタンで考えます。

組合せとして気になるのが

A)弱風高温

B)強風低温

どっちがいいんでしょうか?

と思ったところで、
東京大学の前真之準教授が「90分で分かる!本当のエコハウス」という本で、
シミュレーション結果が出ていたので、転載させてもらいます。

 

A)弱風高温の場合

前真之準教授著 「90分で分かる!本当のエコハウス」より転載

高温設定にすると、エアコンから吹き出す暖気がより軽くなります。
部屋の下方に押しこむための力もさらに必要となりますが、
風量設定は弱なので、まったくもって押し込めません。
上の方だけモワッと暖めておしまいです。

 

B)強風低温の場合

前真之準教授著 「90分で分かる!本当のエコハウス」より転載

低温設定にすると、エアコンから吹き出す暖気は、高温時に比べ重くなります。
すると、部屋の下方に暖気を押しこむための力は弱くて済む上に、
風量設定が強なので、グイグイ押しこむことができます。
部屋全体にほんのり温かい空気を拡散することができます。

 

図を見れば一目瞭然ではありますが、
「風量を大きくして温度を下げる」設定の方が、
より上手く部屋全体を暖めることができます。

 

ただこれは、一気に部屋を暖めたい時の話です。
大風量だと乾燥する感じが不快だったりするので、
一度部屋が暖まって上下温度差がない状態になれば、
あとは弱風で回してもOKなはず。
もしくは、サーキュレーターで空気を循環させる、という手もあります。

 

なんでもやる担当

長山 悦久