注文住宅で住まいを建てることのメリットとして、住まう人の意見を反映させられることが一番に挙げられます。

 

なかでも「建築材」については毎日触れる、囲まれて暮らすものですから、自分たちにとって「良い」ものを選びたいですよね。

 

今回は、木材や自然界の素材が「心の健康」に及ぼす効果についてお話します。

 

 

 

 

やっぱり家は「木」が良いんです

 

 

「森林浴」という言葉があります。

森や林を散策する時などによく聞かれる言葉ですが、ちょっとそれを文化人類学と科学的に見ていきましょう。

 

まず、人間は現代のような文化に至るまでは、森の中で過ごす生物でした。

そのため自然の樹木に触れると本能的にリラックスするということが言われています。

 

いわばDNAレベルの反応、もしくは「理屈ではない部分」が住宅建築においては最も重要なファクターなのかもしれません。

つまり、データ上では、理論的には快適なはずでも、住まう人が「心地良い」とか「愉しい」と感じなければ何の意味も成さないただの入れ物になりかねません。

 

この「理屈ではない部分」=樹木に触れるとリラックスする効果について科学的観点で見てみると、「フィトンチッド」という物質が関係していることが知られています。

 

フィトンチッドは、樹木が微生物や害虫から自分の身を守るために発散している物質で、これを人間が吸い込むと自律神経が安定し活力が増すということが、科学的に証明されています。

 

そのような私たちの身体の芯まで届く効果というか、表層の部分ではない根源の部分に働きかける要素こそ、人が毎日生きる空間(つまり住まい)には最も必要だと考えます。

 

 

 

 

木が発する心地よいリズムを感じて暮らす

 

 

建築設計にぜひ取り入れてほしいことがあります。

 

「1/fゆらぎ」という言葉、どこかで聞いたことはありませんか?

 

たとえば電車の揺れるリズム、自然の風のリズム、小川のせせらぎや小鳥のさえずりにこの1/fゆらぎというリズムが隠れています。

 

電車で眠くなるのはこのリズムのためであったり、最近では1/fゆらぎの扇風機といった製品も登場していますが、要は人間が心地良いと感じる「自然のリズム」です。

 

それは一定ではない自然のリズムで、人間の生体リズムとリンクするのだそうです。

 

実は、木材にも1/fゆらぎがあります。年輪や木目といった視覚的なものからもリズムが生まれているのです。

 

林野庁の発表では、木の空間にしたら子どもの成績が上がった、睡眠が深くなる、シニアの転倒事故の割合が減るなどの効果がみられるそうです。

 

フィトンチッドもゆらぎも目には当然見えませんし、薬のような即効性があるわけでもないですが、確かに人間の根幹を整えてくれる、源をケアしてくれるものです。

 

これは西洋医学の局所療法的な薬の考え方ではなく、東洋医学の漢方的な自然治癒力を高める効果に近いものといえるでしょう。

 

そんな空間に毎日毎日毎日暮らしていたら。毎日が森林浴のような自然界のリズムの中で生活できたら……。

1年、10年、50年……一生涯に得られる効果は計り知れません。これからあらゆることを吸収していく小さなお子さんならなおさらです。

 

 

 

 

本能レベルで自分たちにとって大切なものを考える

 

 

世の中にはいろいろな考え方があり、いろいろな情報があります。

そしていろいろな家の姿があります。

どれが正しいとかではなく、それぞれに正しさがあります。

 

これから家を建てたいという皆さんはそれらを自分なりに見極め、自分なりに精査しなければなりません。

 

家という建築にとって、日本の気候にとって、その場所にとって、皆さん自身の人生にとって、子どもたちにとって、それぞれの状況にとって何を一番大切にしたいことだと考えるか。

 

ぜひ、じっくり、冷静に、真剣に、自分にとっての優先順位をつけることが、良い住まいづくりの第一歩になります。

 

私たちも真剣勝負でサポートします。