快適に暮らせる住まいづくりは計算数値や統計データが重要視される昨今、それらももちろん大切ですが、住まいづくりの本質は「その場所に棲む」ということ。

 

皆さんが心地良さを感じる場所はどのような空間なのか自然な気持ちで探してみませんか。たとえば猫がリラックスした様子で眠る日なたの窓際……気持ちが良さそうですよね。

今回はその猫に快適な住まいづくりの極意を教えてもらおう、というお話です。

 

 

猫が幸せに暮らせる家は人も幸せに暮らせる家

 

猫の習性を観察すると、猫が心地よいと感じる住環境は人間も快適に過ごせる空間であることがわかります。

とはいえ、猫が好きな場所とされる「高い場所」「暗い場所」「狭い場所」……はさすがに人間とはなかなか相容れない好みですね。

そこで、反対に猫が嫌う場所というのを観察してみると、「暑い・寒い場所」「騒がしい場所」「汚れていたり散らかっている場所」を猫は避けたいようです。この3条件、人間も思わずうなずく条件です。

 

 

 

夏涼しくて、冬暖かい場所は猫がよく知っています

 

まずは室内の温度。猫はその場所の、その家の、最も心地よい場所を理屈ではなく体感で知っています。

夏なら最も涼しい場所。冬なら最も暖かい場所。

間取りや素材などの設計面での工夫、お庭に木々を植え太陽光の差し込み方や風の通り道など外構面での工夫で猫も人もくつろげる室温を保つことができそうです。

 

 

 

自然と人が集まる場所は猫も安心します

 

猫にも性格があり、甘えん坊な子は人の気配をすぐ近くで感じることのできる場所を好みます。

普段お世話をしてくれたり、一緒に遊んでくれる、猫にとって信頼のおける人のそばにいると落ち着くようです。

 

たとえば家族の集まるリビングで猫と一緒に寝そべったり、遊んだり……。

猫と過ごす時間は家族の絆を強く感じる素敵な時間になりそうですね。

自然と家族が集まることのできるリビングにする工夫を考えてみてもよいかもしれません。

ただし、騒がしいのは猫は苦手。

夜遅くまでテレビの音がしていたり、ゲームをしていてつい興奮して大声をあげたりでは猫だけでなく人もストレスをため込みますので気を付けましょう。

 

 

 

整理整頓、清掃の行き届いた住まいは猫も人もストレスフリー

 

猫の視力は人間でいうなら0.1~0.3程しかないことをご存知でしょうか?

しかし動くものを捉える力は発達していて、これは獲物を捕るためでもあり、危険を察知したらすぐに安全な場所へ避難するための能力でもあるようです。

もしも家の中が散らかっていたら、部屋の中は安全なのか猫には見渡せなくなり、落ち着かなくなることでしょう。

人にとっても整理整頓の行き届いた室内は気持ちが良いですよね。

収納の工夫や、掃除が楽しくなる工夫は猫も人も幸せに暮らせる家になるはずです。

 

 

このように本やグラフだけではなく、快適な空間探しのエキスパートである猫の行動に目を向けてみると、住まいづくりへの新しい発見があるかも知れません。